Column:犬の健康 | 2024.10.13
犬の健康 犬の花粉症(秋編)
やっと涼しくなってきて、お散歩が楽しい季節になってきました。
この季節、気を付けてあげたいのは「花粉症」です。
今日は、犬の花粉症についてお話ししたいと思います。
犬の花粉症の症状
◆かゆみ
花粉症が原因で、色々なところにかゆみが出ます。足や肉球、耳や目の周り、身体全体に痒みを感じます。ワンちゃん個々の弱い部分に症状が出ることが多いです。症状のひどい子は、足や肉球を噛んだり舐めたり、身体を掻き毟って脱毛してしまう子もいます。
◆赤み
皮膚が赤くなったり、腫れてしまう子もいます。アレルギー反応の酷い子は、顔、肉球などが腫れたり、脱毛してしまったり症状も個体差によって違います。特に短頭種(フレンチブルドックやペキニース)は、顔のシワの部分が腫れて赤くなってしまう子も多いです。
◆涙目や鼻水
目や鼻の周りが痒くなり脱毛したり、酷くなると目が充血して赤くなる場合もあります。涙や鼻水が頻繁に出ることもあります。
◆くしゃみ
外気に触れたり、お散歩中によくくしゃみや咳をすることがあります。アレルギー反応の強い子は、連続でくしゃみをしたり、気管支炎のように咳が止まらなくなる場合もあります。
気を付けてあげたい草花の種類
ブタクサ
ブタクサの花粉は、8月から10月にかけて飛散します。飛散量のピークは9月ですが、地域によって飛散時期のピークや飛散期間は異なります。たとえば、関東ではブタクサの花粉が飛ぶ期間が長く、12月頃まで飛散することもあります。背が低い草花で、飛散距離が短いため、近づかなければ避けられるが、特に早朝の風の強い時間帯は集中して飛散するため、お散歩時は注意が必要です。。 鼻、目の症状のほか、喘息の原因にもなります。ヨモギ
秋の花粉症といえばブタクサを思い浮かべますが、同じような時期8月から10月にかけてに花粉症の原因となる植物にヨモギがあります。ヨモギは草餅の材料としても知られているため、春の植物のイメージがあります。しかし、草餅に使うのは新芽、つまり葉っぱであり、花粉を飛散させる花ではないのです。ヨモギはブタクサと同じキク科の植物。ブタクサの花粉症だと思っていたら、実はヨモギの花粉症だったということがあります。ヨモギは夏から秋にかけて茎を高くのばし、草丈50~120㎝ほどに成長します。ヨモギの花は目立つ花ではなく、よほど植物に詳しい人でないと、前述のぶたくさの花と見分けるのは難しいでしょう。カナムグラ
カナムグラの花粉は、主に秋の季節に飛散します。具体的には、9月から11月にかけてが飛散時期です。8月下旬に花粉が飛び始める地域もあります。都市部の道路沿い、空き地、畑、河川の土手に生息している植物として知られています。お住まいの地域やその年の気象条件によっては、飛散の開始やピークが前後します。イチョウ
あまり知られていないのですが、イチョウの葉が落ちる頃に葉や実にアレルギー反応が出る場合があります。落ち葉に鼻を突っ込んだりして赤く腫れたり、毛が抜けてしまったりする症状ができ場合があります。特に10月から12月初旬にかけてが実や落ち葉の時期なので気を付けましょう。秋の代表的な花粉症の植物をご紹介しました。
他にもワンちゃんの体質により、アレルギー反応が出る植物も多くあります。
愛犬がどんな時に、何処で鼻水やくしゃみを良くするかなど注意して観察してあげてください。
花粉症の対策
◆環境管理
・花粉の少ない時間にお散歩する
花粉の多い時間、(特に午前中や風の強い日)を避けてお散歩することが効果的です。花粉は夜のうちに地面に堆積してしまうので、朝早いお散歩は花粉の上を歩いているのと同じです。
・洗浄とお手入れ
お散歩から帰ってきたら、足や肉球に付いた花粉を落とす様にしっかり水洗いをしてあげてください。寒くなってきたら、蒸しタオルなどで身体を拭いてあげることも効果的です。身体に付着した花粉を落とす様なイメージでブラッシングしてあげることも大切です。◆室内対策
・空気清浄機の使用
花粉を除去する機能のある空気清浄機を使うと室内の花粉濃度を下げることができます。花粉症の時期は、ハウスダストなどにも敏感で症状が強く出る場合があるので、なるべく室内の空気をきれいにしてあげることが有効です。・窓を閉める
花粉の飛散時期は、外からの花粉が入ってこない様に窓を閉めて防いであげることも効果的です。花粉症対策に良いご飯とサプリメント
1. 抗酸化物質を含む食品
抗酸化物質は炎症を抑え、免疫システムのバランスを保つのに役立ちます。・ブルーベリーやイチゴ: 少量をおやつとして与えることができます。
・緑黄色野菜(にんじん、ほうれん草): 犬用に調理して与えることができます。
2. オメガ-3脂肪酸を含む食品
オメガ-3脂肪酸は抗炎症作用があり、アレルギー症状の緩和に効果的です。・脂の多い魚(サーモン、マグロ、サバなど) ・魚油サプリメント: サーモンオイルやフィッシュオイルなど。
・亜麻仁オイル・えごまオイル: オメガ-3の供給源として利用できます。
3. プロバイオティクス
腸内環境を整えることで免疫システムをサポートし、アレルギー反応を抑える助けになります。・ヨーグルト: 無糖・無添加のものを少量与える。
・ケフィア ・発酵食品(納豆、甘酒など)
4. ビタミンE
抗酸化作用があり、免疫機能をサポートします。・ビタミンEサプリメント: 獣医師の指示に従って与える。
5. クェルセチン
クェルセチンは自然の抗ヒスタミン作用があり、アレルギー症状の緩和に役立ちます。・リンゴ
・ケール
・ブロッコリー
・芽キャベツ
・カボチャ
・サツマイモ
◆サプリメント
アレルギー症状の緩和に役立つと言われている自然派のものを紹介します。あまり聞き慣れないと思いますが、体に害が無く自然派のものなんです。
ビーポーレン(蜜蜂の花粉ダンゴ)
ビーポーレンは、ミツバチが花から集めた花粉を蜂蜜や蜜蝋と混ぜて作られた天然の食品です。タンパク質、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、酵素、抗酸化物質などが豊富に含まれており、スーパーフードとして注目されています。ビーポーレンの主な栄養素
- タンパク質: 20〜30%含まれ、必須アミノ酸がバランス良く含まれています。
- ビタミン: 特にビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEが豊富です。
- ミネラル: 鉄、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などを含みます。
- 抗酸化物質: フラボノイドやフェノール類が含まれ、抗酸化作用があります。
- 脂肪酸: オメガ-3やオメガ-6脂肪酸が含まれています。
ビーポーレンの健康効果
1. 免疫力の強化
ビーポーレンには免疫システムをサポートする成分が含まれており、体の防御機能を高める効果が期待されます。定期的な摂取により、風邪やインフルエンザの予防に役立つ可能性があります。2. 抗炎症作用
ビーポーレンに含まれる抗酸化物質やフラボノイドは、体内の炎症を抑える効果があります。これにより、関節炎やその他の炎症性疾患の症状緩和に寄与する可能性があります。3. アレルギー対策(花粉症の緩和)
ビーポーレンは、少量の花粉を体に慣れさせることで、免疫システムが過剰反応しにくくなるとされています。定期的な摂取により、花粉症の症状が緩和される可能性があります。ただし、過敏症の方は注意が必要です。4. エネルギーの向上と疲労回復
ビーポーレンはエネルギー代謝をサポートし、疲労回復に効果的です。運動後のリカバリーや日常生活での活力維持に役立ちます。5. 栄養補助
バランスの取れた栄養素を補うため、ビーポーレンは健康維持や美容にも利用されています。肌の健康や髪のツヤを保つ効果も期待できます。ビーポーレンの摂取方法
- そのまま食べる: パウダー状や粒状のものを潰してご飯に混ぜてあげてください。
- ヨーグルトなどおやつに混ぜる: 食事に手軽に取り入れることができます。
ビーポーレンの摂取量
一般的な推奨量は2kgの犬の場合、1日あたり小粒2〜3粒程度ですが、体質や目的に応じて調整が必要です。初めて摂取する場合は、少量から始めて体の反応を確認することをおすすめします。ビーポーレンの注意点
アレルギー反応
ビーポーレン自体がアレルゲンとなる場合があります。酷い花粉アレルギーを持つ場合は注意が必要なので、初めて摂取する際は少量から始め、異常がないか確認してください。アレルギー症状(発疹、かゆみ、呼吸困難など)が現れた場合は直ちに摂取を中止し、獣医師に相談してください。他に効果が期待できるサプリメント
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魚油サプリメント(オメガ-3)
- 抗炎症作用があり、皮膚や被毛の健康をサポートします。
- 用量は製品の指示に従いましょう。
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プロバイオティクスサプリメント
- 腸内フローラを整え、免疫システムを強化します。
- 獣医師推奨の製品を選びましょう。
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ビタミンCサプリメント
- 強力な抗酸化作用があり、免疫機能をサポートします。
- 適切な用量を守り、過剰摂取に注意してください。
まとめ
愛犬の体質はそれぞれ個性があります。今日ご紹介したものは、お薬に頼らずに花粉症の症状を和らげるためのものをピックアップしてみました。
大事なことは、免疫力を高めていくことが健康を保つ秘訣です。
始める時は、少しづつ体調を見ながら愛犬に合ったものを探していくことが大切です。
あなたの愛する愛犬が快適に過ごせますように✨